従業員に経営視点を─大手電機メーカーが経営シミュレーション研修を実施
大手電機メーカー様にて、経営企画部門を対象に、経営視点の醸成とチームビルディングを目的としたBMG経営研修を実施。
BMG経営研修を導入した背景
研修を導入された背景を教えてください。
我々が所属している経営企画部門は、約40名の比較的新しい組織です。業務の特性上、出張や外出の機会が少ないため、業務以外の知見に触れる機会として研修を強化したいと考えていました。
昨年は個人の内省を促すようなソフト面の研修を行いました。今年は、業務で活かせる知識・視点を身につけながら、社員同士のコミュニケーション強化につながるような研修を探していたところ、BMG経営研修に辿りつきました。
どのような効果を期待していましたか?
大きく二つあります。一つは、経営視点の獲得です。経営企画には、経営方針を理解しながら各部門と連携することが求められます。経営シミュレーションを通じて経営判断のプロセスを学ぶことで、若手社員の成長につなげたいと考えました。
もう一つは、チームビルディングです。職種柄、一人で完結する業務も多いため、部門内でコミュニケーションをとる機会がそう多くはありません。メンバー同士がチームを組んで議論することで、相互理解を促し、組織の一体感を高めたいと考えていました。
研修で得られた学びや気づき
実際に研修に参加された感想を教えてください。
私は入社3年目で、今回組んだチームの中でも一番年下でした。参加者の中にはこれまであまり接点がなかった先輩方も多く、正直なところ、最初はうまくできるか不安でした。
ただ、経営シミュレーションの中で、チームの皆さんと一緒に創業する会社の名前を考えたり、経営方針にまつわる議論を進めたりする中で、徐々に会社やチームの方々に対する愛着が湧いていったんですよね。
売上が出た時には、チームみんなで喜びをわかちあうことができ、ぐっと距離が縮まった感覚がありました。普段の業務ではなかなかできない貴重な体験で、とても楽しかったです。
研修を通じてどのような学びや気づきがありましたか?
2つの気づきがありました。1つ目は、チームとして目指す方向性や役割を明確にすることの重要性です。私のチームは、早い段階から明確な指針を打ち出していたからこそ、個々人が能動的に動くことができました。研修の中でも触れられていましたが、チーム運営における大事なポイントを押さえることで、初めて組むメンバーであっても良い連携ができると実感できました。
2つ目は、売上予測の難しさについてです。経営シミュレーションでは、狙っていたほど売上が伸びないシーンもあり、運転資金がショートしかけてしまいました。普段の業務では、想定した売上が立たない場合には研究費の削減が求められることもあり、売上計画の精度を問うていかなければならない立場です。ただ、実際に自分が経営を疑似体験することで、計画を実現することの難しさを実感することができました。
私にとっての収穫は、参加したメンバーの意思決定の仕方や、自分の強みを知れたことです。普段の業務では、大人数でプロジェクトを組んでやることが多くはありません。チームとして動く中で、他の人がどのように議論を進め、意思決定するかを間近で見て吸収することができました。また、自分自身は前に出てチームを引っ張っていくことよりも、出た意見を要約してサポートしていくことに強みがあるとも気づけました。
そして、今回の研修後、それまで接点のなかった方ともコミュニケーションをとれるようになったんです。研修の中で上下関係を気にせずフラットにコミュニケーションをとれたことで、その後にもつながる社内の関係性を築くことができたと感じています。
BMG経営研修を実施した効果
当初の狙いに対して、今回の研修はいかがでしたか?
当初の狙いであった経営視点の獲得と、チームビルディングの両方で期待以上の効果が出たと感じています。
今回は各チームに統括職が1人ずつ入っており、当初の予定では彼らはあくまでオブザーバーで、基本的には若手メンバーに意思決定をさせようと考えていました。
しかし、経営シミュレーション自体が予定調和ではないものだったため、結局のところ、チーム全員で協力せざるを得ませんでした。コミュニケーションを加速する状況を生み出したこの研修は、非常に優れていると思いますし、受講者の満足度も非常に高い結果となりました。
経営視点の獲得においては、今回の参加者は経営管理業務の担当者がメインのため、一定の前提知識がある状況でした。ただ、教科書的な知識のインプットではなく、その知識を元に意思決定をしていく実践型の研修だったため、計画通りに売上が立たない難しさを体験することなど、経営のダイナミズムを感じられたことに意味があったと思います。
モノづくりに強みを持つ日本の多くの企業は、どうしても思考や議論の軸がプロダクトアウトに寄りがちになってしまいますが、競争環境の変化が激しいこの時代、マーケットインとプロダクトアウトの両方の視点を持って事業に向き合うことが重要です。
企業経営の実践を通じて、顧客が価値を感じる事業や製品を作ることの重要性を、自分ごととして理解してもらえたと思います。
実は過去に別のマネジメントゲームを体験したことがあったため、私も導入検討段階から議論に参加していました。そのため、参加者でありながらも、一部導入側の目線も持ちながら当日を迎えました。
よかった点は、役職にかかわらず全員が同じ土俵に立って議論できたことだと思います。組織の中では無意識に上下関係が生まれてしまうこともあります。ただ、今回の経営シミュレーションは誰もが初めて体験する内容であったからこそ、誰が何を言ったかではなく、何がこの会社にとって良い選択か、という意思決定に重きを置くことができました。
一緒に悩みながら協働していくことで、先輩や同僚の新たな一面を知ることができ、相互理解を深めることができたと思います。
今後に向けて
今回の学びや気づきを今後にどう活かしていきたいですか?
今回学んだチーム運営のポイントをもとに、まずは後輩への指示出しや、別部門への依頼時に、明確な方針や考えを自分なりに伝えていきたいと思います。そうすることで、周囲とのよりよい連携に繋げていきたいです。
そして、自分自身の視座を経営に近いラインに少しずつ上げていきたいです。そのためにも、事業部長をはじめとした上位レイヤーの方々と、積極的にコミュニケーションをとっていきたいと思います。
私は、改めて部門の目標や目指す方向性ついて理解を深めたいと思いました。弊社にはパーパスがあり、社員はそれを認識していますが、それだけでなく部門や自身の目標を正確に理解し、周囲と共通認識を持つことで、よりスムーズに業務を進められるようになると感じています。
また、今回の研修の中で、市場に対して広告宣伝を行うことで、売上などの数字に効果が出る感覚が非常に面白く、新たにマーケティングの領域にも興味を持つようになりました。目の前の業務だけに閉じず、視野を広げながら今後のキャリアにつなげていきたいと思います。
鍛地様、長谷川様、大崎様、ありがとうございました!