中小機構 × 商工中金 × スコレで、次世代経営者・企業幹部向けプログラムを九州で開催!
2025年4月、独立行政法人 中小企業基盤整備機構、株式会社商工組合中央金庫、スコレ株式会社の合同企画で、経営シミュレーションを活用した次世代経営者・企業幹部向けの育成プログラムを提供しました。
本記事では、プログラム提供の背景や、参加者の声をお届けします。
プログラムの提供背景
まずは、今回の会場である中小企業大学校 九州校について教えてください。
2024年1月に開校した九州校は、中小企業大学校としては初めての都市型研修施設です。従来の校舎は郊外に位置しており、合宿型の長期研修に適した施設でした。一方、九州校は博多エリアにキャンパスがあり、九州各地からアクセスが良いオープンな施設です。
その強みを活かし、これまでのオーソドックスな研修だけではなく、地域の支援機関・金融機関様や企業様と連携した新しいスタイルの研修を提供したいと考えていました。
プログラムの提供に至った背景を教えてください。
本校では、中小企業の経営者や後継者、管理職などを対象に、多種多様な研修プログラムを提供していますが、九州校としてはマネジメントゲームを中心とした研修はここ数年実施しておりませんでした。
そんなタイミングで、商工中金様からスコレ様のBMG経営研修プログラムをご紹介いただいたことが、導入を検討したきっかけです。
ビジネスをより実践的に学ぶ上で、ケーススタディが用いられることがあります。本校でもケース教材を提供しており、もちろん学びに活かせる部分は大いにあります。ただ、ケースの中には十数年前に起きた出来事をベースにしているものもあり、目まぐるしく変化する現代の状況を反映できているかというと、そうとは言い切れません。
スコレ様の経営シミュレーションは、外部環境の変化も含め、よりリアルなシチュエーションが反映されています。そのような設定のもと、経営を実践的に学べる場を提供することで、中小企業の皆様の人材育成支援に繋げたいと考えました。
プログラムに参加した感想
本プログラムには、次世代経営者・幹部候補から現役経営者の方まで、幅広くご参加いただきました。実際にプログラムに参加して得られた学びや気づきを、それぞれの目線でお届けします。
プログラムに参加されたきっかけを教えてください。
当社の社長からの誘いで参加しました。私自身はもともと経営シミュレーションには馴染みがなく、どのようなプログラムなのかイメージが沸いていませんでした。ただ、現在介護事業部の部長を務めている中で、今後につながる学びが得られるのならばと思い、足を運びました。
実際に参加されてみていかがでしたか?
プログラムに参加する中で最も印象に残ったのは、財務にまつわる学びです。お恥ずかしながら、これまでは貸借対照表や損益計算書の見方さえきちんと理解できていませんでした。
今回の経営シミュレーションでは、財務の知識を活かしながら企業としての売上をいかに上げるかを考える必要があります。経営における財務知識の重要性と、その不足に気づかされた機会でした。
個人としては反省が多いにあった一方で、チームとして良い成績を収めることができました。それは、最初にチームで決定した理念や経営方針からぶれずにアクションをとり続けられたからだと振り返っています。
講師の方からもお話がありましたが、改めて経営理念や経営方針に立ち返ることの大切さを感じました。
今回の体験を今後どのように活かしていきたいですか?
今後、私自身も会社経営に携わっていきます。その際に必ず必要となるであろう財務周りの学びを深めていきたいです。そのような機会を、社長からの誘いではなく、自発的に作っていきたいと思います。
プログラムに参加されたきっかけを教えてください。
実は以前にもスコレ様の経営シミュレーションを体験したことがありました。社会人になったばかりの頃で、当時は議論などもチームの方々にリードしてもらうシーンが多かったです。数年経った今、改めて体験させていただくことで新たな気づきあるのではないかと思い、参加しました。
改めて参加されて、得られた学びや気づきを教えてください。
坂田様のお話と重なりますが、私も資金繰りの重要性に気づかされました。実は、今回のプログラムでは一部入力ミスをしてしまい、資金繰りが苦しくなってしまった局面があったんです。
普段の業務では、お客様が作成した資金繰り表をもとに融資の判断などを行う立場にいます。今回自分で資金繰り表に入力する経験をしたことで、その仕組みがよく理解できましたし、余裕を持った資金繰りをしておくことの大切さを実感しました。
プログラムでの体験を通じて、ご自身にどのような変化がありましたか?
たった2日間ではありますが、実際に経営する側の立場に立てたことで、経営に必要な視点を学ぶことができました。以前よりも、中小企業の経営者の方の気持ちを想像できるようになれそうです。
今回身をもって体感した資金繰りの難しさを忘れずに、今後はより経営者の方に寄り添ったご提案をしていきたいと思います。
プログラムに参加された理由を教えてください。
経営者が置かれる状況をリアルに体験できる実践的な内容に興味を持ちました。また、普段関われない組織外の方々と意見交換することで、自身の知見を広がることを期待して、参加しました。
実際に参加されて得られた学びや気づきを教えてください。
普段の業務ではなかなか触れることができない、経営者が実際に感じているであろう苦労を疑似体験することができました。
具体的には、限られた時間の中で行わなければならない経営判断の難しさや、生産やマーケティングから財務まで、幅広い知識を求められながら組織運営をしていく大変さなどです。頭では何となくわかっていることを自分事として捉えることができた貴重な機会でした。
今回の体験を今後どのように活かしていきたいですか?
中小企業支援に携わる身として、相手側の状況を想像しながら寄り添った支援ができるように心がけたいです。
特に、資金繰りで悩む事業者のご相談をお受けする際には、相手の状況も理解しつつも、短期的な思考に偏りすぎず長期的な目線で何ができるかという視点を持っていたいです。
そのためには、相手方の経営理念や経営ビジョンをきちんと理解し、その実現に向けたご提案ができるようになっていきたいと思います。
プログラムに参加されたきっかけを教えてください。
商工中金の方からお誘いいただいたことがきっかけで、参加しました。山口様と違って、私は初めての参加でしたので、どのようなプログラムなのかあまり想像がついていませんでした。
経営者である渡邉様にとって、今回のプログラムはいかがでしたか?
複数名と一緒にチームを組んで創業するという設定が、非常に新鮮でした。普段は経営者として一人で意思決定する機会が多く、共同経営者とともに議論を進めていくシーンは多くありません。複数名だからこその意思決定の難しさや、面白さを体感できたことが非常に良かったです。
今回のプログラムをどのような方におすすめしたいですか?
この経営シミュレーションは、経営を学ぶ上での非常に実践的なプログラムだと思いました。様々なビジネススクールや大学でこのプログラムを体験できる機会があれば、私のような経営者や経営幹部の方にとって学びになることはもちろん、若い世代にとってもビジネスへの関心が高まる機会にもなると思います。
プログラムを終えて
実際にプログラムを提供されてみていかがでしたか?
皆様が参加されている様子を見て改めて、経営を疑似体験することができる本プログラムは非常に価値あるものだと感じました。
事業立ち上げや経営に携わる機会は、誰にでもあるわけではありませんし、起業するとなるとリスクも伴います。実際に体験してみなければ見えないことが多い世界です。
そうした中で、経営シミュレーションを通じてリスクなく経営視点を養えることは、経営に関わる方々はもちろん、新規事業に挑戦する方や、私たちのように経営者を支援する立場にある者にとっても大きな意義があると感じました。
今後の展望についても教えてください。
今回の取り組みを通じて、経営を疑似体験できるこのプログラムには、当校の新たな研修の柱となる大きな可能性を感じました。
経営幹部候補や管理職に限らず、様々な立場の方が経営視点を身につける有意義な学びの場として、今後さらに広げていきたいと考えています。
また、本プログラムは経営知識の習得だけでなく、実際にチームを組んで経営判断に挑むという点で、組織内のチームビルディングにも大いに活用できると感じています。中小機構にはチームビルディングにまつわる知識をインプットする講座はありますが、それを実践できる場はなかなかありません。今後は、座学と実践の双方を組み合わせた、より立体的な人材育成に取り組んでいきたいと思います。
さらに今回は、大学生の参加もあり、非常に前向きな姿勢で取り組む様子が印象的でした。若いうちからビジネスを楽しみながら学ぶ機会を提供することは、キャリアの可能性を広げるうえでも意義が大きいと思います。今後は、中小企業の皆様に加え、次世代を担う若い世代にも広く体験いただきたいです。
インタビューにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。