中小企業の未来を担う経営人材が集まり、“経営の疑似体験”に挑戦。他流試合で経営視点を養うプログラム
西武しんきんキャピタル様の「支援先企業様」を対象に、次世代経営者・経営幹部育成のための経営シミュレーション(BMG)ラーニング・プログラムを開催
投資先企業様間のつながりを深め、金融機関としての「新たな価値提供の可能性」に挑んだ西武しんきんキャピタル様。本記事では、中小企業の経営を担う経営人材育成プログラムの実施背景や、参加者の声についてご紹介します。
中小企業の育成課題に挑む:BMG導入の背景とは
まずは今回のプログラムを開催した背景について、教えてください。
プログラムの目的は大きく2つありました。1つは投資先である企業様間の横のつながりを作ること。そして、資金提供以外の部分での価値提供を実現したいということです。
ちょうどそのタイミングでスコレ社が提供する経営シミュレーションを知り、ともに「次世代経営者・企業幹部向けのプログラムを開催しよう」という運びになりました。
主にどのような企業様が参加されたのでしょうか?
取引先である中小企業様、そして当社からも数名が参加しました。お客様はメーカー、インフラ、飲食、商社、IT企業など業界・業種はさまざまでしたね。
どの企業にも共通していたのが「次世代経営者や経営幹部の育成」に課題を感じていた、ということです。「そもそも何をしたら良いのかが分からない」と悩む企業様も多くありました。
企業混合でチームを組み、財務諸表を読み解きながら定量的に事業判断に取り組む経験は、多くの参加者にとっても珍しい機会だったと思いますし、新鮮な視点を持って取り組めたのではないでしょうか。
経営シミュレーションを体験した参加者の声
プログラム参加者からの反応はいかがでしたか?
私の班では、普段は財務に関わらない方が「財務担当役員」になりました。財務の難しさや頭を使うポイントが普段と全く違うことに苦労されていましたが、「自社の財務担当者の苦労がよくわかった」と満足されていましたね。
また、普段接点のない人たちと一緒に経営を体験するのは新鮮だったそうで、「難しかったけれども楽しかった」という声もあり、全体として高く評価いただきました。
私たちの班は、後継者の方や次期幹部人材の方が多く参加していました。最初は合意形成を進めて意思決定をすることに、戸惑いもあったようです。それも含めて、良い経験だったのではないでしょうか。
参加者同士の横のつながりが生まれた事例もありました。プログラム終了後に、飲食店を経営されている参加者の店舗に、同じ班のメンバーが実際に来店されたそうです。当初期待していた「横のつながりと価値提供」 が、しっかり形になっていると嬉しくなりました。
金融機関の職員だから得られた気づきとは
西武しんきんキャピタル様から見て、改めて得た学びや気づきはありましたか?
私は普段から決算書類や数字に触れる機会が多いですが、実際に経営を進めるにはもう少し知識が必要だと感じています。
ヒト・モノ・カネ、様々な領域の意思決定が売上にどう繋がっていくのかについて改めて考えさせられました。こうした「意思決定プロセス」を実践する機会は限られているので、参加者として非常に大きな学びがあったと感じています。
私は経営者の方々が「正解のないアクションを取り続けている点」に、強いリスペクトを感じましたね。班の中で出てきた様々な意見をもとに意思決定を体験することで、共感できる点も多々ありました。普段からそうした行動を取られている経営者の方々に、寄り添ったサポートをしていきたいという思いを新たにしました。
実は、これまで決算書を自分で作成する機会はあまりなかったので、良い経験になりました。経営に関しては未経験な部分もありますが、チームで意見を出し合って意思決定を進めるプロセスを体験し、多くのことを学ばせていただきました。
金融機関としては、お客様のことを深く理解し、適切に対応できるような人材を育成していくことも重要だと感じています。経営者に近い立場から企業理解を深めながら成長を支援できることは、金融機関の強みであり、経営コンサルティングにも通じる高い専門性があります。
ぜひ多くの金融機関に、こうしたプログラムを受講していただきたいと感じました。
「人材育成」の課題は、経営課題とも直結します。今後の取り組みにも、良い影響がありそうですね。
私たちは職業柄、社長と多くの接点を持ち、コミュニケーションを取っています。しかし経営人材の方々とは意外にも接点が少ないんです。
今回、こうした機会を通じてコミュニケーションを取ってみて「社長の想いがよく分かった」との感想も聞こえてきました。経営人材の育成は、中小企業にとって常に課題となるテーマでもあります。このプログラムを起点に、ぜひそれぞれの社内で得た学びを共有していただけると、ありがたいですね。
今回のプログラムを通じて、投資先の企業様間はもちろん、当社とも新たなつながりができたことを大変嬉しく思っています。
次世代の経営者育成に加え、自社の社員に「経営者の視点」を体験してもらう機会としても有効だと感じました。これからも、より充実したプログラムへとブラッシュアップしていきたいです。
中小企業の未来を支える、人材育成の仕組みづくり
最後に、今後の目標についてお聞かせください。
今回、「次世代経営人材の育成」というテーマで、中小企業の人材育成をサポートする点に大きなニーズがあると実感できました。中小企業にこそ、越境学習による学びの場にぜひ参加いただきたいです。
今後はテーマや対象を変えた、新たな研修プログラムもご提供したいですね。日常とは異なる環境で、イチから学ぶからこそ得られる気づきがあると思います。「投資をして終わり」ではなく、その先の企業成長も含めてサポートできる体制を整えていきたいです。
宇佐美様、杉浦様、小見山様、束原様、ありがとうございました!