次世代リーダーの選抜方法【求められる7つの資質とは?】
企業の持続的な成長のためには、次世代リーダーの育成は不可欠です。しかし現在、多くの企業が、「育成の難しさ」に直面しています。今回は「次世代リーダーの選抜方法」という観点から、企業の未来を担う次世代リーダーを見抜くポイントと、求められる”資質”について紐解いていきます。
日本の労働人口は年々減少を続けており、今や深刻な社会問題となっています。50 年後の日本の人口は現在の7割減になるとの予測もあるほどです。
また「管理職になりたくない」という気持ちが強く、自らリーダーになるチャンスから降りる若手社員も増えています。
そうした現状において「次世代リーダーをいかに選抜し、育成へつなげていくか」は、非常に重要な課題となっているのです。それでは実際に、3つのステップに分けて次世代リーダーの選抜について考えていきましょう。
次世代リーダーを見出す3つのステップ
【STEP1】 人材要件の定義
まずは、自社が求める「次世代リーダーの要件」を定義します。
自社が抱えている経営課題や将来のビジョンと照らし合わせながら、必要なスキル、経験、価値観を具体的に言語化していきましょう。
ポイントは、人事部門と経営陣が連携して「明確な基準を設定し、共有する」こと。選抜したいリーダー像がクリアになれば、その後の選抜プロセスも進めやすくなります。
【STEP2】候補者のリストアップ
定義した「次世代リーダーの要件」に基づき、候補者をリストアップします。社内の人事評価データの分析や、直属の上司からの推薦、タレントマネジメントシステムなどの一元管理された人材情報を活用するのも効果的です。
もちろん、自ら手を挙げ「リーダー候補」を志望する方もリストに加えていきます。
【STEP3】候補者の絞り込み
選抜基準に照らし合わせて、候補者を選抜します。選考には多面的な評価方法を導入し、次世代リーダー候補を絞り込むことが多いです。
- 面接:共通する質問を用いて、すべての候補者を公平に評価
- アセスメントテスト:実際の業務に近い課題に取り組み、実践スキルをチェック
- プレゼンテーション:ビジョンの構築スキル、コミュニケーションスキルを評価
また、選抜プロセスの透明性を保つためにも、候補者へのフィードバックは忘れないようにしましょう。振り返りの機会を設けることで、選抜されなかった候補者のモチベーション維持や成長にもつながります。
企業の未来を支える次世代リーダーの「7つの資質」
次世代リーダーとしての資質は、選抜をする際の決め手にもなります。一般的には、どのような資質が「活躍する次世代リーダー」に必要とされているのでしょうか?具体的なポイントとともに、考えてみましょう。
【1】 戦略的思考
「複雑な状況を分析し、長期的な視点で意思決定を行えるか」は、次世代リーダーの資質に欠かせません。
具体的には:
- 分析ツールやフレームワークを使い、経営戦略を構築できる
- 市場の動向や新たな技術革新などの変化を敏感に捉え、組織が取るべき方向性を決断できる
【2】ビジョン構築
チーム全体で成果を目指すには「分かりやすく、魅力的なビジョンを描き、組織全体に浸透させる力」も必要です。
具体的には:
- メンバーの心に響く将来のビジョンを語ることができる
- メンバーの共感をもとにしたチームビルディングができる
【3】変革推進
「変化を恐れず、積極的に推進する力」は、変化の激しい現代において不可欠になっていくでしょう。
具体的には:
- 既存のプロセス、ルールに疑問を投げかける
- 今よりも効果的な方法を模索し、実行する
- 変革を経て、組織全体を新たな方向へと導いていく
【4】イノベーション創出
「新しいアイデアを生み出し、実現する力」を活かせば、新規事業の創出や、企業の業績向上を可能にするかもしれません。
具体的には:
- 創造的思考と問題解決力を併せ持っている
- 組織内外のリソースを活用し、アイデアの実現に向けて推進できる
【5】グローバルマインドセット
グローバル化が進む中「文化的な多様性を理解し、国際的な視野を持って思考・行動する力」は、多くの企業で必要とされています。
具体的には:
- 相手の文化的背景を理解した異文化コミュニケーションができる
- グローバル経済や政治動向への洞察力がある
【6】ダイバーシティマネジメント
「多様な背景を持つ人材を活かし、組織文化を形成する力」も、大切な視点です。
具体的には:
- 性別、年齢、国籍、専門性などの違いを尊重し、組織の強みに変えられる
【7】レジリエンス
予測不能な環境に置かれても「迅速に適応し、対処できる力」が求められます。
具体的には:
- 失敗から学び、新しい状況に対して柔軟な対応ができる
- 最後までやり抜くために、逆境を乗りこなし、適応できる
もちろん、これらすべての資質が必須なのではありません。次世代リーダーの育成には、時間がかかるもの。研修や実践経験を通じて総合力を高め、スキルアップに向けて継続して取り組む姿勢が必要になります。
▼スコレが考える「次世代リーダーに求められる4つのコアスキル」もご紹介しています!
https://www.schole-corp.com/journal/article-002

次世代リーダー育成プログラムに不可欠な「4つの柱」
次世代リーダーの選抜後に待っているのは「育成」です。彼らの潜在能力を最大限に引き出し、成長させるプログラムには、「4つの柱」が重要になります。
◆ 個別の育成プランを策定する
育成プログラムの第一歩は、個別の育成プランを考えるところから始まります。選抜された次世代リーダー候補の「強みと課題」を把握し、作成していきましょう。
プラン策定のPOINT
- 育成に向けた目標を設定
- 目標達成のためのアクションプランを作成
- 達成までのタイムライン、評価ポイントを設定
- 必要なリソースや支援の有無を確認
例えば「グローバルリーダーシップを伸ばしたい」という候補者の場合は、「海外赴任のチャレンジ」や「多国籍人材が活躍するチームでのリーダー経験」を組み込み、計画を立てていくことになります。
◆ メンタリング&コーチングの導入
成長を支援するには、経験豊富なリーダーのメンタリングや、専門コーチによるコーチングも効果的です。
導入のPOINT
- メンタリング:組織内のリーダーが、自らの経験・知見を共有。キャリアに関するアドバイスを行う
- コーチング:外部の専門コーチが個人の成長に伴走し、リーダーシップスキルなどの向上を支援
組織内外のリソースをうまく活用し、自分にはなかった新たな視点の習得が期待できます。
◆ 新たな知見を得る機会の提供
異業種交流や海外での経験を積むことも、リーダーとして視野を広げていくチャンスになります。
機会提供のPOINT
- 異業種交流プログラム:他社や異なる業界のリーダー候補との交流会、合同研修
- 短期海外派遣:グローバルプロジェクトへの参加、海外子会社などでの短期勤務
- 社外役員の経験:関連会社などの役員として、経営に参画する
これらの経験を通じて、自社の強みや課題を客観的に捉える視点を養うことができるでしょう。
◆ 成長を可視化する
定期的なフィードバックと成長の可視化も、成果に大きな影響を与えます。
可視化のPOINT
- 進捗状況を振り返る定期ミーティング
- 360度フィードバックの実施
- コンピテンシー(行動特性)評価
- 成長のステップを可視化する
候補者自身が成長を実感し、モチベーションが維持できる仕組みを作り、育成プログラムの効果測定・改善に役立てるようにしましょう。
次世代リーダー育成を支援するスコレ
スコレでは、次世代リーダーの育成に欠かせないスキルが体感的に習得できる「BMG(Business Management Game)」を提供しています。
https://www.schole-corp.com/service/bmg
PCブラウザで操作できるゲーム型学習によって、企業経営をシミュレーションできるようになっています。
また、企業の垣根を超えて次世代リーダー同士が学ぶ「BMG越境学習プログラム」も実施しています。
参加者からは「意思決定のプロセスを見直す機会になった」「異なる価値観・経験を持つ方々との交流に、何よりも価値があった」などの声が寄せられており、次世代リーダーとしての成長につながる機会を提供しています。

「次世代リーダー育成」についてご興味がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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